藤田田が語った、生き残る社長の資質。健康、友人、そして3つ目は?
「イレブン」の数え方を語れるようになれ。
■「イレブン」の数え方
「1、2、3……」新聞記者は簡単に答えた。
「ひとつ、ふたつでいってみろ」今度はそういうと、「ひとつ、ふたつ、みっつ……」これも簡単に答える。
「それじゃ、イレブンは?」「じゅういち、です」「ひとつ、ふたつのイレブンは?」「それもじゅういち、です」
「そう思うだろう。ところがちがうんだ。ひとつ、ふたつの数え方でイレブンの数え方はちゃんとある」
実際、イレブンの数え方はある。しかし、現在では、それができるのは、2万人にひとりだ、といわれている。
「教えてくれませんか、イレブンの数え方を」
新聞記者は白旗を揚げた。
「今度会ったときに教えてあげましょう」
私はそういってその新聞記者と別れた。
ひとつ、ふたつと数えるイレブンの数え方を知っているだけで、話題は豊富になるし、初対面の新聞記者を引きつけることもできるのである。社長になるためには、そういった知識の数が多ければ多いほどいい、そういった知識が多くなると、いろんなことについて、あいつは一家言もっている、と一目おかれるようになる。それが大切なのである。
余暇はパチンコでタバコを取ろう、などとは思わずに、そういった特殊な研究、専門の情報の収集に当てるべきである。特殊な情報の数が多いほど、その人の勝ちなのだ。そのためにも趣味は広くもつべきである。
“趣味と実益を兼ねる”とよくいうが、これは嘘で、趣味は金にはならない。しかし、趣味を広くもつことも立派な特技になるのである。
(『ビジネス脳のつくりかた』より構成)